小田切梓の美しさと切なさ
映画「ホットギミック ガールミーツボーイ」を観た感想、考察を好き勝手に書きます。
念の為に言っておきますがネタバレしかしません。
いや〜〜〜〜、ホットギミックすっごい映画でした。
本当に。
初めて観た後、自分の感情があまりにもグチャグチャ過ぎてはてなマークか脳内に大量に浮かんできそうになるものの、考察をするよりも先に「美しさ」で脳内を支配されてしまったんだよね。
なんてったって映像が美しい。豊洲の閉塞感と渋谷の雑多感の対比。キラキラした色、光、カット割、フィルムのような映像美しい。
そして何より登場人物が皆に美しい。
アップのカットも美しい。美しいが止まらない。
美しい美しい。映し出される映像に語彙がついていけなくて美しさに殴られ続けた2時間だった。
私は小田切梓役の板垣瑞生くんのファンなので、どうしても梓に感情移入して見てしまったんだけど、客観的に見ても梓が誰よりも最高に美しかったと思う。
何より「梓を美しく撮ろう」という監督の強い意志も感じた。
撮影後の梓と初のシーンなんてあまりの美しさにいつのまにか息を止めていたみたいで、終わった後酸欠状態になって頭がクラクラしてた。
初見の時は美しい〜〜〜〜!!しか言えなかったホットギミックだけど何度が観に行くうちに一つの結論にたどり着いたのでブログを書くことにしました。
あっ、ここからがブログの本題です。話が長いよね。知ってた。
ビジュアルだけの話をすれば梓を演じる瑞生くんの美しさなんてホットギミックを見る前から知っていたつもりだったけどそれにしてもスクリーンに映る梓がいつもの瑞生くんよりも一際美しかったんだよね。
どうしてもこんなにも梓は美しいんだろう、って思いながら見た3回目のホットギミックで気づいた。
梓ってずっと切ない。
久しぶりに初恋の相手である初に会いに行くけれど、会う目的は復讐。切ない
復讐を誓っているはずなのに初への気持ちは捨てきれていない。切ない
初を傷つけることで何かが満たされることはなく、傷ついた初を目の当たりにして傷つく梓。切ない
復讐すべき相手は初ではなかったことを知ってしまう梓。切ない
帰る場所なんてない、自分がどうしていいか分からなくなってしまう梓。切ない
俺のことは一生許さないで(=俺のことを一生忘れないで)な梓。切ない
大切な初恋を自らの手でボロボロに壊してしまった梓。切ない
「最初からこの人だって決まっていればいいのにね」という台詞に込められた、最初から分かっていたらこんな風に初を傷つけたりしなかったのにという梓の気持ち。切ない
そして梓のラストの台詞
「初恋って過去形にならないんだ」
ああ"〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜切ない!!切ないよ!!!切なさのボーナスポイントだよ!!も〜〜切ない!!苦しい!!!辛い!!!胸が!!痛い!!
だってこの台詞の前に梓なんて言ったか覚えてます?
「初は俺の初恋だったよ」
って言ってるんだよ??梓はずっと初ちゃんとの初恋と一緒に生きて行くんですよ、きっと。ちょっとだけ甘くて苦しくて切ない初恋とずっと生きていくんですよ。
これ言ったら映画が成り立たないって話するけど、最初から梓の母親の相手が初のお父さんじゃないってことが分かってたら、こんな風に初を傷つけることなんてなかったんだもんね。
てか、梓と初どっちも初恋の相手だし、すんなり上手くいく可能性の方が高かったし、簡単に亮輝から初を奪っていけたのに。
梓の切なさが梓をより一層儚く、美しくしているんですよ。だってこんなにも切ないのにこんなにも美しい。
ここまで梓の話をしてそもそも論になるけど、ホットギミックに出てくる登場人物って結局みんな切なさとか苦しさを抱えて生きてるんだよね。17歳というキラキラした青春時代の裏には相反するようち切なさや苦しさで覆われていて、大人になってしまった私達から見ると痛々しくて美しい。
もしかしたら切なさや苦しさや辛さって人生を美しくするために存在するのかな、なんて思った。
山戸監督の映画なだけあって初見だとどうしても映像の美しさに意識を持っていかれてしまいがちなので、2回目に見たときの色んな人の感想を聞きたいな〜って思いました!
恐らく好き嫌いはかなりはっきり分かれる映画だと思うので、刺さる人にはざっくり刺さる映画だと思うのでざっくり刺して血まみれにして欲しいな、と思います!!以上、解散!!!